先日、穴を開ける=もったいないというコメントをいただきました。
穴を開ける=価値が下がるというイメージが有るのかもしれませんね。
私も最初は、穴を開ける=価値が下がるという考えがありました。
最初に穴あけのご相談をいただいたのは天然石のビーズを扱うハンドクラフトの作家さんでした。
天然石のビーズにあるものではなくて、宝石を使ってビーズ感覚でジュエリーを作りたい。こんなリクエストでした。
宝石に穴が空いていない場合、枠を作らないとジュエリーにならない。枠を作るには地金代を含む加工代金が高くなってしまうのでお客様に喜んでいただけない。
宝石に穴を開けることができれば、枠を作る加工代が節約できるので、宝石を使ったジュエリーがお求めやすい価格で、作家さんが思い通りに加工ができる。
宝石が好きでたくさんあるが、ビーズジュエリーを作ることはできるが、枠を作り石を留めることができない。
宝石を見ているだけの観賞用にしておくのはもったいない。キレイな宝石をビーズジュエリーでつくりたい。
こんな思いを形にしたのが、今、穴あけをお願いしている職人さんとの出会いからでした。
職人さんも、キレイに研磨してカットしている宝石に穴を開けるのには最初は戸惑いがありました。
何度も本当に穴を開けていいのか?こんな方向に何で穴を開けるんだ?こんな細い穴でいいのか?などなど、思い出すと常識とはかけ離れた注文だったようです。
今でも、はじめての位置、はじめての方向、一つに石に何か所も・・・などなど、想像もしないようなオーダーを頂くこともあります。
その都度、職人さんと相談をして加工を進めていきます。
穴があいてお客様にお送りして、届いたらお客様からのお喜びのメッセージ。この瞬間がとても嬉しいですね。
エンドユーザーさまからの評判がいいので追加で同じ位置、方向で穴あけをお願いしたいとの荷物が届いたりしたときは最高ですね。
これからも職人さんが穴を開け続けてくださる間はご注文を受けさせていただきます。
この技術がいつまでも受け継いでくれるといいんですが・・・現時点では後継者がいないんです。それがとても寂しいです。
サンワカツキ 代表 若月兵衛
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