(+81)055-242-7386

お問い合わせ





MENU

固定観念

長くやっていると

同じ業界で長く仕事をやっていると、業界の常識で物事を考えることが通常と思ってしまうことがあります。

先日、お客様から真鍮のサイズ直しの依頼がきて、即答で「真鍮はできない」って・・・
いろいろ調べてみると、真鍮のサイズ直しってできるかもしれないって思い直して職人さんに相談してみると・・・
やったことはないけど、理論上では可能ということになり、試しに真鍮の指輪を用意して、サイズ直し(縮め)をしてみることに。

一般的に真鍮は5円玉のような色合いをしています。

サンプルの真鍮のリングをサイズ直しして、メッキをかけると、薄い刻印だと下地のメッキを厚くかける?ためなのか刻印の一部が消えてしまったり、薄くなったりしました。

お客様に相談して、刻印が薄くなる、消える可能性もあるとお伝えして、サイズ直しのオーダーをお受けして、無事、先日納品することができました。

今回加工を担当してくださった職人さんと話をすると、真鍮=貴金属ではないというのが業界では一般的、貴金属=金、プラチナ、シルバー。
職人さんも、真鍮の製品を作ったことがない。(業界用語を含みますが、原型に湯口をつけるときに原型はシルバーで作り、湯口は真鍮でそれを溶接するくらいしかやったことがない)
地金が高騰している昨今、海外、国内のブランドでも真鍮のアクセサリーが増えてきています。今後真鍮のサイズ直しの需要がでてくる可能性もありますね。
サイズ直しの工程は、真鍮でもシルバーでもプラチナでも金でもほとんど一緒です。業界の通例で「真鍮は地金が安いからサイズ直しも安くしろ」ってことにならなければいいですが。
一般的に真鍮はサイズ直しができないって言われてきたのは、多分、製品の価格にもよることだと思います。通常の金、プラチナの製品だと指輪の価格とサイズ直しの工賃とで大きな差がありますが、真鍮だと価格と工賃との差が少ないのでサイズ直しをするよりも作り変えをする方がいいという判断だったのかも。

これから真鍮の指輪のサイズ直しが一般化する時代が来るかわかりませんが、今回は思い入れのある真鍮のリングをサイズ直しできてお客様に喜んでいただいたことが嬉しくて、ブログに書いてみました。

サンワカツキ 代表 若月兵衛